DESIGN+

アメリカデザイン留学記

MIT IDMの授業

渡米後、はや2ヶ月が経ってしまいました。
いろいろ書きたいことはあったのですが、精神的にも時間的にも余裕がなく、すっかりボストンも紅葉の季節となりました。
 
・8/1  渡米
・8/3-21  フルブライト奨学金サマースクール
・8/24-9/3  MITオリエンテーション(design boot camp
・9/4-7  ニューヨーク観光
・9/10  授業スタート
 
奨学金オリエンテーション、受講登録などについても書く予定ですが、まずはMITのデザインプログラム(IDM)の必修授業で何を学んでいるかをご紹介したいと思います。

 

MIT IDMでは、デザインの必修授業、そしてエンジニアリングとビジネスの選択授業を受講することになります。デザインの必修授業には個人/グループで行うデザインプロジェクトが含まれます。
 

f:id:mitidm:20151019004345j:plain

毎週火曜日と木曜日の11時からIntegrate Design Lab(ID lab)という場所で必修授業が行われています。同じ建物には、MIT International Design Centerという様々なDesign Researchを行っている組織があったり、Shopと呼ばれるDIY関連機材(レーザーカッターとか3Dプリンターとか)を使える場所があったりと、ものづくりをするにはとても良い環境にあります。
 
11:00-12:00 Workshop
13:00-14:30 Lecture
14:30-17:30 Studio time
17:30-18:30 Seminar
 
こんな感じで休憩を挟みつつ11:00から18:30まで活動しています。
 
Workshop
午前中のWorkshopと呼ばれる時間では、模型の作り方からCADや各種DIY機材の使い方といったモノづくりの基礎訓練を行います。ちょっと変わったところでは、輪ゴムで走る車を作ったりしました。決められたルールの中で、最大限パフォーマンスが出る構造を考え、失敗し、修正していくプロセスを学びました。常に手を動かしている習慣がこのWorkshopのおかげで身についているような気がします。
 
Lecture
午後からのLectureでは、製品 / サービス開発プロセスについての授業が行われます。マーケット調査の方法論やユーザーとの関わり方、ニーズ分析などなど。ちょうど、デザインとビジネスの中間にある領域を体系的に学べるカリキュラムになっています。この授業は、同時並行で進行しているプロジェクトとも連動しています。例えば、プロジェクトでユーザー調査が必要なタイミングでは、その内容に関わる講義が行われます。IDMのDirectorやバラエティーに富んだ講師の方々からの講義が提供されます。MIT Sloan school of Managementの教授や、MIT MBAの卒業生で企業で活躍されている方などが来て、ケーススタディや実体験なども含めて授業が行われます。
 
Studio Time
必修授業にはデザインプロジェクトが含まれるのですが、このStudio timeではプロジェクトの作業を行ったり、経過のチェックが行われます。このデザインプロジェクトというのが、このプログラムの肝なのですが。。。デザイン思考のプロセスを「強制的に」実体験できます。
 
例えば、今は「ホウキとチリトリのデザイン」というプロジェクトに取り組んでいます。プロジェクトがスタートすると、町中 / レストラン / 学校 / 映画館 / ヘアサロンなどなどで、様々な人に突撃インタビューをします。ニーズを聞き出し(時には拒絶され)、共感し、良好な人間関係を構築し、彼らをデザインプロセスの中に直接 / 間接的に取り込んでいきます。
 
「本当につらいです(涙)」
 
留学生で、英語が堪能ではない中でアポイントのないインタビューを行うというのは本当に大変です。その中で、後々も連絡が取れるような良好な人間関係を築くとなると無理なんじゃないかと思ってました。が、失敗しながらもチャレンジし続けたら何とかなりました(笑)
今まで仕事の中でインタビューを行うことはありましたが、調査会社に依頼して人を集めてもらったり、社内でお願いしたりするので、「お膳立て」ができてる状態でした。しかし、自分から能動的にターゲットユーザーを探して、関係を構築していく中で、今までと少し違うものが見えている気がしています。
 
Sminar
17:30からは、外部の専門家やクラスメートのプレゼンテーションが(ピザとか食べながら)行われます。やっぱり、実務の話を聞くのは超刺激的です。そして、なんといってもクラスメートのプレゼンテーションがとても興味深いです。デザイン、エンジニアリング、ビジネスのバックグラウンドを持った人が6名ずつ、そして出身国もアメリカ、カナダ、インド、パキスタン、コロンビア、レバノンコスタリカ、台湾、中国、日本と多種多様。外からも中からも学べるというのは、すごく魅力的なことだと思います。
 
 
こんな感じの流れで、火曜日と木曜日は活動しています。
後半はどんどんビジネス寄りの内容が増えていくという話を聞いています。
 
「モノづくりの筋肉を鍛える」
 
そんな環境がここにはある気がしています。