DESIGN+

アメリカデザイン留学記

MBAとDesign program

僕は、UI/UXデザインと呼ばれる仕事をしています。
 
モノを使いやすくしたり、生活や仕事にフィットするように直したり、新しく作ったりする仕事です。デザインとエンジニアリングの中間にあるような仕事だと思っています。
 
元々、デザインというパワーが活かされる組織とか環境に興味がありました。それに加えて「モノ売る時代」から「サービスを売る時代」になっていく中で、デザインとビジネスのブリッジになりたいと思うようになりました。
 
と、こんなことを書いていますが、留学準備を始めた頃は何をやりたいかがはっきりせず、モンモンとした日々を過ごしていました。
 
そんな時に、世界的に有名なデザイン会社IDEOのホームページでこんな職業を見つけました。

 

Business Design

www.ideo.com

 
え!?まじで?
僕のイメージにすごく近くてビックリしました。これを見つけた時に嬉しくて泣きそうになったのを覚えています。
 
 
僕が目指す方向性に進むためには、ビジネス側にシフトするためのステップが必要でした。
 

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この分野はアメリカが強いというイメージがあったので、アメリカの大学を中心に探し始めました。「Design+Business」というキーワードで調べていくと、大きく2つの選択肢がありそうだと分かりました。
 
ビジネスを体系的に学べる「MBA」、そしてデザインを中心に学べる「Design program」です。
 
MBAでビジネスの領域にフォーカスして、今とは異なる専門性を身につけるのか?
Design programでデザインという自分のバックグラウンドをベースに専門性を広げていくのか?
 
初めはMBAしか考えていなかったのですが、最終的には様々な縁に恵まれてDesign programを選択しました。ただ、大学探しの際には結論を出せず、両方に出願しました。
 
 
 
MBA
 
・ビジネスを体系的に、集中的に学べる。
・ビジネスの学位であるMBAが取得できる。
・デザイン業界では普段知り合う機会が少ない職種の仲間と学べる。
 
自分のバックグラウンドはデザインなので、自分に足りないビジネスの領域にフォーカスした方がいいと考えていました。MBAのカリキュラムにDesign Thinkingの授業が組み込まれている大学も多く、BusinessとDesignの結びつきについて学ぶ機会もあります。これは、もうMBAに行くしかないと思っていました。
 

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また、漠然とMBAというものに惹かれていた部分もありました。
 
MBAに行けば将来が開けるんじゃないか。」
 
恥ずかしながら、こんな甘い考えが頭をよぎったことも多々ありました。この考えは、留学準備を通して(いろんな人たちに怒られながら)少しずつ消えていきました。MBAという鏡を通して、自分のやりたいことを考えることが出来たので、僕には必要な時間だったんだと思います。
 
MBAにも当然大学ごとに特徴があるのですが、僕は「アントレプレナーシップ」という専門が強い大学に絞りました。「起業家精神」と訳されたりします。
 
「機会やニーズを探し出し、それを事業として実現していく思考や実行力」
 
これが、僕のアントレプレナーシップに対するイメージです。デザインの領域でも「機会を探し出す」という部分は結構やられていますが、事業化する「実行力」という部分は弱いと感じていたので、この専門にフォーカスしました。ここで、バブソン大学に出会いました。
 
Babson College / MBA

www.babson.edu

 
アントレプレナーシップ教育で有名な大学で、この分野に特化したカリキュラムが提供されています。全米のMBAランキングでは、この分野でトップクラスの大学です。この特化っぷりと実践的なカリキュラムに惹かれ、出願することを決めました。
 
ありがたいことに、2014年2月に合格通知をいただきました。初めての合格に浮かれたのも束の間、経済的な理由から辞退せざるを得なくなり、一気にどん底に突き落とされました。このことが別の道を考えるきっかけにもなり、翌年にDesign Programへ出願することになりました。
 
 
 
Design program
 
・デザインを中心に、ビジネスやエンジニアリングも包括的に学べる。
・デザインスタジオでの活動を含むカリキュラム。
MBAに比べると少人数でデザイナーが多い。
 
Design program、d.school、Integrated design、comprehensive designなど様々な名称でプログラムが提供されており、複数の学部や学校が連携して提供されるジョイントプログラムが多いようです。MBAなどの学生が受講するDesign thinking関連クラスの母体になっているケースもあり、デザインスタジオでの活動を含んだカリキュラムが提供されます。美大系の大学では、Design MBAという名称で、デザインとビジネスを複合的に学ぶプログラムも提供されているようです。(ここでは、これらを総称してDesign programと呼びたいと思います。)
 
MBAとは違い、デザインという自分のバックグラウンドを中心に、ビジネス寄りに専門性を広げていくようなイメージです。
 

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最終的には、MITのDesign programに入学を決めました。
 
MIT / Integrated Design & Management

idm.mit.edu

 
デザイン、エンジニアリング、ビジネスの領域をブリッジできる新世代のリーダーを育成するプログラムです。2015年夏からスタートする新設プログラムで、同校のSchool of Engineering、 Sloan School of Managementが連携してカリキュラムが提供されます。
詳しくは、別の機会に紹介したいと思います。
 
このプログラムは偶然(奇跡的に)webで見つけたのですが、「これだ!」と感じて泣きそうになったのを覚えています。すぐに大学にメールを送ったのですが、当時(2014年の10月頃)は情報がほとんど公開されておらず、プログラムのDirectorから「どうやって見つけたんだ?」と不思議がられました。
 
実は、15年くらい前の大学受験の時にも同じようなことがありました。
忘れもしないセンター試験の前日、受験しようとしていた大学から願書が届いたのですが、その中に新設学科の紹介資料が入っていて、「これだ!」と出願を決めました。
ちょっとデジャブです。
 
この新設学科を作った教授に推薦状をお願いしたのですが、「僕も君と同じ年くらいの時にMITに留学してたよ。」と言われてビックリしました。MIT時代のワクワクする話をたくさん聞かせてくれて、MITへの留学を後押ししてくれました。
 
ほんと縁なんだと思います。
 
 
こんな感じで最終的には直感に従って進路を決めましたが、大学探しの中でたくさんの魅力的なプログラムに出会いました。アメリカ留学中に是非訪ねたいと思っています。
 
その一部を紹介したいと思います。
在校生や卒業生のお知り合いがいらっしゃる方は、ご紹介いただけると嬉しいです!
mitidmjp@gmail.com
 
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University of Toronto / MBA(Rotman) *カナダ
前学長のRoger L. Martinは、Business Designという言葉の生みの親で、このMBAはDesignとBusinessを融合するプログラムになっているそうです。2015年現在は、Rotman DesignWorksという組織で学内のBusiness Designを推進しているようです。
 
その他、次に紹介するDesign programを提供しているStanford University、University of Pennsylvania、Carnegie Mellon UniversityなどのMBAプログラムも、デザインに関するクラスや環境が提供されており、とても魅力的だと思っていました。
 
 
Design Program
 
Stanford University / Design program

designprogram.stanford.edu

デザイナーの聖地の1つです。d.schoolと呼ばれるDesign thinkingを学ぶジョイントプログラムの母体になっている2年間のプログラムです。1960年代から脈々と続いているそうなので、最も歴史あるプログラムの1つだと思います。
 
University of Pennsylvania / Integrated Product Design
同校のSchool of Engineering and Applied Science、Wharton School、そしてSchool of Designが連携してカリキュラムが提供されます。デザイン、エンジニアリング、ビジネスの融合を目指した2年間のカリキュラムが提供されます。3つ領域を均等に学ぶコースと、エンジニアリングを主体に学ぶコースがあるようです。
 
Carnegie Mellon University / Integrated Innovation for Products & Services

http://www.cmu.edu/integrated-innovation/mii-ps/

同校のCollege of Engineering、College of Fine Arts、そしてTepper School of Businessが連携してカリキュラムが提供されます。1年か2年のコースが選べます。元々はMaster of Product Developmentという名前で提供されていましたが、2013年から名称変更されたようです。
 
Illinois Institute of Technology / Master of Design

www.id.iit.edu

デザイン方法論を体系的に学ぶことができるプログラムの老舗で、ビジネスに関わる部分についても幅広く学ぶことができます。このプログラムに留学されていた方のblogが留学準備の際にとても参考になりました。

idllife.blogspot.jp 

 
番外編:Dual degree program
MBAとDesign programの両方に行っちゃう豪華プログラムです。
 
・デザインとビジネスの両方を学び、2つの学位を取得できる。
・学費はMBAより高く、カリキュラムはやや過密。
・2つの学部のコミュニティに所属できる。
・2つの学部への出願が必要な大学もある。
 
Northwestern University / MMM program

http://segal.northwestern.edu/programs/graduate/mmm/

MBA(Kellogg School of Management)とMS in Design Innovation(the Segal Design Institute)の2つの学位が取得できます。6月からスタートするので出願時期が他のプログラムと異なるので要注意です。諸事情により受験しませんでしたが、とても魅力的なプログラムだと思います。
 
Illinois Institute of Technology / Master of Design+MBA

https://methods.id.iit.edu/programs-admissions/master-design-and-mba-dual-degree/

Design programで紹介したIllinois Institute of TechnologyのDual degree programです。Master of DesignとMBAの学位が取得できます。とても密度の高いプログラムだと思います。
 
 
ヨーロッパの大学も含め、その他にもたくさんの魅力的なプログラムがあると思うので、引き続き探していきたいと思います。
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