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アメリカデザイン留学記

留学とキャリアプラン

「で、あなたのキャリアプランは?」
 
僕が留学を目指すキッカケになったのは、彼女(のちの妻)のこんな質問でした。
そんなこと上司にも聞かれたこと無かったんで、焦りましたね(笑)
 
「特にないし、今の仕事は楽しいから別に先のことは考えてないよ。」
 
これが当時の僕(31歳)の回答。
デザイン事務所での5年間の濃密なキャリアの後、外資系家電メーカーに転職。仕事や飲み友達に恵まれていたし、出世にも興味が無かったので、キャリアプランなんて考えたことがありませんでした。
 

 

ここから自分のキャリアを考え始めたことが、留学へのスタートになりました。
今もキャリアプランと呼べるような明確なものにはなっていませんが、留学準備を通して「目指すべき方向性」のようなものは、ボンヤリ見えてきた気がします。
 
留学準備を始めた頃は、明確な目的やキャリアプランがないと留学なんてしちゃいけない気がしていましたが、結果的には留学を考えることが、自分の将来を考えることにつながった気がしています。なぜかというと、レジュメやエッセイを書いたりする中で強制的に(?)考えざるを得なくなるからです。僕も、自分の人生を丁寧に振り返ったり、未来を本気で妄想することに多くの時間を費やしました。そして、かなり迷走しました。
 
どれくらい迷走したかというと、留学後に金融業界に転身する妄想をしていた時期がありました。MBA留学をして、プライベートエクイティ関連の仕事に就き、会社の経営に関わるんだ!というエッセイを書いて、通っていた学校のカウンセラーを困惑させてしまいました。最終的に「この未来はちょっと違う」と感じて、デザインという自分のバックグランドをしっかり見据える良い機会になりました。
 
留学準備を通じて人生を考えることができたことが、僕にとって一番の収穫だったと思います。